日本でのパックラフトのメンテナンス方法についての情報もあまり多くないように感じています。アルパカラフトのウェブサイト上には説明分がありますが、英文だし。。(Google Chromeで翻訳かければ比較的楽に読めるのですが)と言った感じで読み込んでいる方も多くはないのかもしれませんので、今回は、メンテナンス方法についてです。
アルパカラフト社のメンテナンス方法の説明について
AlpackaRaftは手間がかからず、メンテナンスもほとんど必要ありません。AlpackaRaft社のパックラフトは、ギアを酷使する人向けに設計されています。AlpackaRaft社の目標の1つは、川の上でも陸の上でも、あまり手入れを必要としないパックラフトを作ることです。パックラフトはハードな使用にも耐えます。パックラフトを毎年良い状態に保つために必要なことはほとんど何もありません。ただし、簡単な予防的ケアを行うことで、パックラフトの寿命が延び、美しさを保つことができます。
アルパカラフトウェブサイトからの日本語訳https://alpackaraft.com/care-and-maintenance
というように、最低限のメンテナンスで長期間使用できるということですが、事実、10年以上使用したアルパカラフトも現存しているので、タフということは窺えます。それは、メーカーによってパネルごとの繋ぎ目の接合方法の違いに関してと、そもそもパックラフトは、SUPなどの様に高気圧で使用しないということも鍵となっています。
パックラフトの現場でのメンテナンス
・カーゴフライジッパーの手入れ以外に、現場でパックラフトを良好な状態に保つために必要なことはほとんどありません。なので、カーゴフライジッパーに砂、チリ、ゴミが噛まないようにだけ気にかけておいてください。
・一般的に、パックラフトを背中や自転車に取り付けると、パックラフトが落ちてしまうことがありますが、摩擦によって過度に摩耗してしまいますので、お気をつけください。
アルパカラフトウェブサイトからの日本語訳https://alpackaraft.com/care-and-maintenance
カーゴフライジッパー(パックラフトのスターン(後部)にT-ZIPジッパーで装備されている内部に荷物を積載する為のジッパーの事、装備されているパックラフトとされていないパックラフトがある)のお手入れは後ほど記載しますが、「しっかり乾燥」「しっかり潤滑」が鍵です。メンテナンスを怠ると修理代金が高くなりますよ!ということで、カーゴフライ以外の本体は、過度な摩擦にさらさなければ、現場メンテナンスは、さほど気にしなくて良いよ!という印象が伝わってくると思います。
自宅でのパックラフトの清掃と保管方法について
アルパカラフトウェブサイト日本語訳https://alpackaraft.com/care-and-maintenance
- パックラフトを清潔に保つ
中性洗剤で洗うと、ボートを清潔に保ち、川の水を介した外来種の拡散を防ぐことができます。- パックラフトを自然乾燥させる
ボートを濡れたまま保管すると、カーゴフライのジッパーが損傷し、猫の尿のような強い臭いがしてしまいます!臭いを取り除くのが非常に困難になることがあります。また、濡れたパックラフトは川の水を介した外来種を拡散させる可能性があります。旅行のたびにボートを吊るして乾燥させてから保管することをお勧めします。- パックラフトの保管
パックラフトを新品同様に良好な状態に保っておくことが長持ちの秘訣です。 パックラフトをきれいに乾かした後は、風通しがよく涼しく乾燥した場所に保管することをお勧めします。吊るしたり、ゆるく巻いたり、折りたたんだりするのがよい方法です。パックラフトをスタッフサックに入れて保管することはお勧めしません。きつく巻いてスタッフサックに戻すと、パックラフトに変色やシミが生じる可能性があります。紫外線による劣化を抑えるため、パックラフトを直射日光の当たる場所に保管しないようにしてください。- 定期的な耐航性チェックをお勧めします。
パックラフトを一定期間保管した後や設計以外の用途(防水シート代わりやギアを引くソリとして使用した場合など)で使用した後、またはボートに損傷を与えている可能性がありますので、再びパックラフトを使用するときに必ず損傷がないかチェックしてください。- パックラフトに「UV保護剤」や類似のスプレーを使用しないでください。
これらのスプレーは、パックラフトに修理材料や接着剤が付着するのを防ぐ硬い外側のコーティングを形成しますので、現場でのリペアが難しくなります。誤って UV 保護スプレーをボートに使用した場合、使用後には効果が薄れますが、効果が薄れるまでは修理やボートへの付属部品の接着に問題が生じます。
アルパカラフト社のVimeo動画です。英語ですが、動画なのでニュアンスは十分に伝わるかと思います!
パックラフトを中性洗剤で洗うということですが、綺麗な川でも泳いだウェアやPFDって、きちんと洗っていても、川の匂いがついていくんですよね。これは微生物などが原因だったりしますが、そんなのを防ぐために、洗って→膨らませて自然乾燥させて→ふわっと丸めて→風通しの良い日陰で保管。簡単にいうと、こんな流れを頭に入れておけば良いと思います。
ちなみに私は、このような感じで洗浄しています。アウターチューブだけでなく、コックピット内部も洗ってあげます。
次は、カーゴフライジッパー(パックラフトのスターン(後部)にT-ZIPジッパーで装備されている内部に荷物を積載する為のジッパーの事、装備されているパックラフトとされていないパックラフトがある)のメンテナンスについて。
カーゴフライジッパー付きパックラフトのメンテナンスについて
荷物を内部に積載することができる便利なカーゴフライ付きのパックラフト、便利ですが、メンテナンスフリーとはいかないこのT-ZIP(T-ZIPではないカーゴフライが搭載されているメーカーのパックラフトもあります。)ですが、
” トリップのたびに、また現場で頻繁に、カーゴ フライジッパーを洗浄、乾燥、潤滑する必要があります。 “
記載の通り「洗浄、乾燥、潤滑」の必要があるのですが、怠ると劣化していき、密閉できなくなりエア抜けが発生してしますので、注意が必要です。アルパカラフト社のグローバルセールス担当と話した時に、「カーゴフライジッパーの修理交換は高額になってしまうので、メンテナンスを徹底してください。」と伝えられました。
逆に言えば、カーゴフライのメンテナンスは
- 洗浄
- 乾燥
- 潤滑
以上、3点を行なっていれば良いわけで、特に難しいこともありません。では、どのようにメンテナスを行えば良いか解説します。
英語ですが、実際の動きをご覧になりたい方はアルパカラフト社ウェブサイトのこちらの動画をご覧ください。
カーゴフライジッパーのメンテナンスキットの用意
小さな清潔な布、ジッパー潤滑剤、小さなブラシが必要です。布は古いTシャツなどを切って都度、新しい布を作ることができます。古い歯ブラシはカーゴフライブラシとして最適です。現場ではキットを携帯し、可能な限り、頻繁にメンテナンスしてください。
修理キットやファーストエイドキットと一緒にメンテナンス用の歯ブラシを携行していきましょう!
カーゴフライジッパーのクリーニング方法
” ジッパーが閉まらない場合は、ジッパーチェーンに砂などが噛んでいることがほとんどです。ジッパー チェーンを清潔に保ち、砂、汚れ、ゴミが付かないようにする必要があります。潤滑剤は粘性があるので砂を引き寄せます。チェーンに直接潤滑剤を塗布することはお勧めしません。ジッパーをクリーニングする必要がある場合は、まず小さなブラシで洗い、難しいクリーニングには温かい石鹸水を使用してください。 “
カーゴフライジッパーの潤滑手順
” ジッパーは常にスムーズに動くことが重要です。ジッパーが動きにくかったり、ベタついたりする場合は、潤滑が必要です。潤滑する前に、ジッパーチェーンが清潔であることを確認してください。 “
- ジッパーを閉じた状態で、布に潤滑剤を塗り、その布を使ってジッパーのウレタンラミネート加工された外側に潤滑剤を染み込ませます。 ジッパーの歯に直接潤滑剤を塗らないことがポイントです。
- 閉じたジッパーの外側の表面全体が覆われるまで、布使い染み込ませ擦り続けます。
- 余分な潤滑剤がすべて除去されるまでジッパーを拭いてください。余分な潤滑剤は粘性により汚れや砂を引き寄せて、逆に汚れてしまいます。
- ジッパーを開き、布を使ってチェーンとシーリングエッジに軽く潤滑油を塗ります。
- ジッパーのドッキングする端の部分に少量の潤滑剤を塗っておきます。
- ジッパーを数回開閉すると、スムーズにスライドし、簡単に開閉できるようになります。
そして、必要に応じて上記の手順を繰り返します。
カーゴフライのメンテナンス目的は、ジッパーの端から端に薄く潤滑剤を定期的に塗布し、スライダーヘッドが自由にスライドして簡単に閉められるようにすることです。
どうでしょうか?読んでもそんな難しそうではないと思いますし、やってみても、そんなに難しい作業ではないので、せっかく購入したパックラフトを長持ちさせてあげましょう。
カーゴフライジッパーに関する保管について
使用後は毎回ジッパーを開けたままにして完全に乾燥させ、ジッパーを閉じて保管してください。 乾燥しないとジッパーが腐ったり割れたりする原因になってしまいます。 濡れたパックラフトを持って帰宅する必要がある場合は、ジッパーを通気性のある外側にしてください。
パックラフトトリップから帰ってきて、雨続きだったりすると、乾燥自体が難しかったりもしますが、普段フロアを外側にして巻き取ってパッキングしている方も多いと思いますが、カーゴフライジッパー付きモデルのパックラフトを使用している方は、持って帰る時にフロアを内側、カーゴフライを外側にしてバウ(船首)から巻き取ると自然と乾燥させることが出来るので良いかと思います。
カーゴフライジッパーのトラブルシューティング
- ジッパースライダーヘッドの後ろの分離
ジッパーがヘッドの後ろで分離した場合、分離した部分の後ろのジッパーヘッドを引っ張って再度閉じることで、自然に修復されます。再度閉じるには、クリーニングと潤滑の手順に従う必要がある場合も。必要に応じて、問題のある部分から手でジッパーを閉じます。 - ジッパーのベースで外れた場合
ジッパーがベースで外れた場合は、その部分をきれいにし、ジッパーの最初の 3cm を手で閉じてから、閉じた部分にスライダーヘッドを戻してみる。 - ジッパーのベースに小さな隙間が空いた
ジッパーが閉まっても、歯の詰まりによりジッパーのベースに小さな隙間が残ることがあります。ジッパーを手でベースから外し、その部分をきれいにしてから、上記の手順に従って再度閉じてみる。
最後にカーフライジッパーのトラブルシューティングに関してでしたが、実際のところ現場でカーゴフライにトラブルが起きてしまったら、パックラフト自体を膨らませることができなくなってしまうので焦ってしまうかと思いますが、一旦落ち着いて、この記事を参照してみて、パックラフトを長持ちさせてあげてください!
コメント