屈斜路湖という名前——喉の奥から流れ出す口

フィールドノート

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ここから先は、ガイドやギアの話ではない。地名の由来や、川にまつわる昔の記録を、気になった時にメモしておく場所。

屈斜路湖は、日本最大のカルデラ湖。名前はアイヌ語の「クッチャラ」に由来し、「喉口」、転じて「沼の水が流れ出す口」を意味する。江戸時代の古地図には「クスリ・トー」(薬の湖)とも記されており、釧路川の源流付近にあったコタン名「クッチャロ」に和人が字を当てたのが、現在の「屈斜路湖」だとされる。


松浦武四郎が見たコタン

屈斜路湖畔のコタンが文献に初めて登場するのは1859年(安政6年)、江戸幕府の命で北海道内を調査した松浦武四郎の『久摺日誌』とされる。当時のコタンには7軒の家があり、「湖水を背にして家が立ち並ぶ風景は、言いようのないほどすばらしい」と記されている。

名前のない湖、摩周湖

隣接する摩周湖は、屈斜路湖とは対照的に語源がはっきりしない。アイヌの人々は「マシュウ」ではなく「キンタン・カムイ・ト」(山にある・神の・湖)と呼んでいたとされ、和名の由来には「マシ・ウン・トー」(カモメの・沼)説、「マ・シュ」(小島の・おばあさん)説など複数の解釈が残る。由来がたどれる屈斜路湖と、たどれない摩周湖。隣り合う二つの湖が、対照的な形で名前を残している。

屈斜路湖は、湖を横断してから釧路川に入る、という形で紹介したこともある湖。


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