パックラフトで川に泊まる|1泊2日の装備リストと防水パッキング

全装備をバックパックに収めた状態ギア

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日帰りの装備は揃った。では、川で一泊するには何を足せばいいのか。

この記事では、1泊2日の川旅に実際に持っていく装備を、日帰り装備との差分として整理する。北海道の川を前提にしているので、水温や気温の条件は本州と異なる部分がある。


日帰り装備との差分で考える

泊まりの装備は、日帰りの装備をそのまま土台にする。艇、パドル、PFD、ヘルメット、ドライウェア、シューズ、補修キット。ここは一泊でも変わらない。

日帰りと共通する基本装備一式
日帰りと共通する基本装備。泊まりでもここは変わらない

日帰り装備の詳細は パックラフト 川下りの必須装備13選 にまとめてある。この記事は、そこに何を追加するかという話になる。

追加するものは、大きく5つ。寝るための装備、水と食、排泄物の処理、暗くなってからの装備、そしてそれらを濡らさないための防水パッキングである。


寝るための装備

パックラフトキャンプの睡眠システム
睡眠システム一式。テント本体は写真とは別のモデルを使用している
  • 1〜2人用の登山テント — 河原は地面が硬く、ペグが効かないことも多い。自立式を選んでおくと設営場所の自由度が上がる
  • シュラフ — ドライバッグに入れて運ぶ前提。濡らしたら終わりなので、防水は二重にする
  • クローズドセルのマット(サーマレスト Zライト) — エアマットではなくクローズドセルを使う。理由は後述する
  • ダウンのジャケットとパンツ — キャンプ地での防寒用。漕いでいる間は濡れて体温が下がるので、上陸して着替えたあとに着る
  • 行動着の着替え — シュラフと同じドライバッグに入れる。濡れた行動着のまま夜を迎えると、体温を奪われ続けることになる

マットにクローズドセルを選ぶのは、パックラフトならではの判断になる。理由は3つある。

  • 河原の石や流木でパンクする心配がない。ハイキングだけなら軽量なエアマットに分があるが、川では鋭いものに触れる機会が桁違いに多い
  • 艇のシートがパンクしたとき、座面として使える。これが大きい。空気を入れるシートが使えなくなっても、切って敷けば漕ぎ続けられる
  • 丸めてあるものを広げるだけで使える。空気を入れる手間がないぶん、上陸してすぐ横になれる

3つめは単に自分がズボラなだけでもあるが、手間の少ない装備は結局いちばん長く使うことになる。今のところトラブルもない。

睡眠システムをドライバッグに収めた状態
睡眠システムをドライバッグに収めた状態。13Lと20Lの2本に収まる

パッキングするとこの大きさになる。13Lと20Lのドライバッグ2本と、ポールが1本。艇に積むことを考えると、このサイズに収まるかどうかが装備選びの基準になる。


水と食

水と食まわりの装備
水と食まわり。1泊2日ならこの量で足りる
  • ナルゲンボトル — 行動中の水。川の水は基本的にそのまま飲まない
  • 浄水器 — 北海道の川はキタキツネのエキノコックスがあるため、煮沸か浄水を通す。1泊2日なら持っていく水で足りることも多いが、行程が伸びるなら必須になる
  • ストーブとクッカー、チタンマグ — 湯が沸かせれば足りる。凝った調理はしない
  • インスタント麺、行動食 — 水を入れて戻すタイプが中心。ゴミがかさばらないものを選ぶ
  • サーモボトル — 朝に沸かした湯を入れておくと、上陸後の一杯がすぐ出る
  • AeroPress Go とコーヒー豆 — 削れる装備ではあるが、河原で淹れる一杯のために残している

食料は行程の日数分だけ増える。1泊2日を基準にして、伸びた日数分を足していく考え方で問題ない。


排泄物は持ち帰る

川でのキャンプで、始める前に決めておくべきことがある。排泄物をどうするかだ。

携帯トイレと排泄物の持ち帰りセット
携帯トイレと、臭いを漏らさないための密閉袋
  • 携帯トイレ(凝固剤入り) — 日数分より少し多めに
  • 密閉袋 — 使用済みのものを入れる。臭いが漏れない構造のものを使う
  • ゴミ袋 — さらにその外側に
  • スコップ — 地面を掘るためというより、現場での処理全般に使う
  • トイレットペーパーケース(モンベル) — 首から下げられる。両手が使える状態にしておけるのが利点

河原は逃げ場がない。砂に埋めれば済むという場所ではないし、増水すれば流れ出す。持ち帰りを前提に装備を組んでおけば、現場で迷わない。

地味な装備だが、ここを軽視すると川そのものが使えなくなっていく。


安全、修理、暗くなってから

ファーストエイドキットと補修キット
ファーストエイドキット、補修キット、ヘッドランプ、エマージェンシーシート
  • ファーストエイドキット — 絆創膏、滅菌ガーゼ、消毒。使い慣れたものを
  • ポイズンリムーバー — 蜂やブヨに刺されたとき用
  • 補修キット — 日帰りと同じものだが、泊まりでは「今すぐ直さないと帰れない」状況になりうる。パックラフトのパンク、破損と修理キットについて に詳しく書いた
  • ヘッドランプ — 泊まりで新たに必要になるもの。設営や撤収、夜のキャンプ地での行動に使う。なお夜のパックラフティングはしない前提で、あくまでキャンプ地用の装備として持つ
  • モバイルバッテリー — 行程が伸びるほど重要度が上がる
  • エマージェンシーシート — 低体温症への備え
  • 細引き — 物干し、シェルターの補助、荷物の固定。用途が決まっていない分、あると助かる

ナビゲーションは基本的にスマートフォンの地図を使っている。紙の地図は、電波が届かない区間や行程が長いときに必要に応じて持つ。


濡らさないためのパッキング

泊まりの装備で最も重要なのは、個々のギアの選択よりも防水の組み方かもしれない。

全装備をバックパックに収めた状態
全装備をバックパックに収めた状態。パドルは外付けする

基本は「濡れたら行程が止まるもの」と「濡れても困らないもの」で分けることだ。

  • 絶対に濡らせないもの — シュラフ、ダウン、着替え、ヘッドランプ、電子機器。ドライバッグに入れ、さらに艇の中の乾いた場所に積む
  • 濡れても困らないもの — テント本体、クッカー、水まわり。多少濡れても行程に影響しない
  • すぐ出したいもの — 行動食、水、ファーストエイド。PFDのポケットやデッキバッグに

ドライバッグは大きい1個より、中くらいのものを複数使うほうが積みやすい。艇の形に合わせて隙間に詰められるからだ。空気を抜いて細長くすれば、カーゴフライから船体内部に入れることもできる。


行程が伸びたら何が変わるか

この装備リストは1泊2日を基準にしている。行程が伸びても、装備の構成そのものは大きく変わらない。

  • 食料 — 日数分だけ増える。ここが最も素直に効く
  • 浄水器 — 持っていく水では足りなくなるので、必要性が上がる
  • モバイルバッテリー — 容量を上げる

逆に言えば、1泊2日の装備を一度組んでしまえば、その先は日数に応じて足していくだけになる。最初の一回をきちんと組むことに意味がある。


装備リストまとめ

分類装備
寝る1〜2人用の登山テント/シュラフ/クローズドセルマット/ダウンの防寒着/行動着の着替え
水と食ナルゲンボトル/浄水器/ストーブ/クッカー/チタンマグ/サーモボトル/食料/行動食
排泄携帯トイレ/密閉袋/ゴミ袋/スコップ
安全・修理ファーストエイドキット/ポイズンリムーバー/補修キット/エマージェンシーシート/細引き
暗所・電源ヘッドランプ/モバイルバッテリー
防水ドライバッグ(13L・20Lなど中サイズを複数)
共通(日帰りと同じ)艇/パドル/PFD/ヘルメット/ドライウェア/ウォーターシューズ/スローバッグ/ポンプ類

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